Garigaraseru

◎お芝居と食べ物のきろく◎

修羅天魔 髑髏城の七人 Season極@ステージアラウンド東京

修羅天魔が終わってしまいました。

いちファンも感無量でございます。

 

豊洲に行けば3月から5月まで、毎月天海祐希が見られる!

 

とやっぱりテンション上がっちゃって、最近の自分では珍しく、3月1回、4月3回(うちライビュ1)、5月2回(うちライビュ1)と計6回豊洲で回ったり、映画館で見たりしました。席運も一番良いのが修羅天魔だった。お蘭の銃口の先に座ったりもできて震えた。千穐楽のライビュもどセンターで、天海祐希のウィンクが迫ってきた。

 

天海さんの存在感はこれでもかというほど高められた状態を維持していて、紛うことなき日本を代表する舞台女優だと思えてならなかった。これが華だ。これが天海祐希だ。観た人をもれなく虜にしたと思う。された。

天海祐希を舞台で観るたびに心底「天海祐希と同じ時代に生まれてよかった」と、そう思わずにはいられない。

そんな天海祐希だけでも満たされてしまう修羅天魔だったけれど、もっともっと!な部分は正直結構あったかなとは。

 

花鳥風月極と通して観て、髑髏城の七人としてキャスティングやストーリー展開のバランスが一番良かったのは、やはり花髑髏ではないだろうか。

百人斬りでブチ上がりたいのが私にとっての髑髏城なんだけど、やはり天海さんを銃の使い手として流した時点で、あの盛り上がりは欠けてしまう。

 

であるならば、もっとお蘭と天魔王の確執・愛憎が濃くてよかったと思うし、だって最後の天魔王からのキスがそんなに色っぽく見えないじゃない?映像でしか観ていないけど、染様とはもっと、どエロかったじゃない?

でもキスされた瞬間、目を開けて、また閉じて、そこからまた瞼を開けたとき、その瞳の色が、前後で全く違うの、あんなの見せられたらどう受け止めたらよいかわからないんですけどね!

瞳が真っ黒なんですよ。絶望と怒りと深い諦念と、、、修羅に落ちるとは、あの瞬間のことを指すのかもしれない。

天海さんは芝居を見る醍醐味を、これでもかと味合わせてくれる瞳を持っています。最高。

 

で、あとあと夢三郎にももっと兵庫と天魔王との間で揺れて欲しかった、とすごく感じている。兵庫と交わした兄弟の契りに、兵庫のアホみたいな真っ直ぐさに徐々に惹かれてしまっている夢三郎、みたいな描写があった上で、やはり天魔王への絶対的な忠誠を選ぶ。というような、もっともっと兵庫に惹かれている残忍な夢三郎が見たかった。

でも竜星涼くんはスタイルも狂気じみた演技も殺陣も素敵だった。木林さん、素敵だった。

 

好きだとは思ってしまうのだけれど、精彩を欠いているように思える時もあったのが古田さん。とにかくよく台詞噛んでたのが気になってね。まだまだ、まだまだだよ、古田さん。これからもよろしくだからね、古田さん。

 

 

そして、実は、結局、冷静に振り返ると、作品全体、天海祐希の役の濃厚さも、

 

阿修羅城の瞳>薔薇とサムライ>蒼の乱>修羅天魔

 

なんじゃないかと。。。

でもこれを言ってしまうとなんか切ない気持ちも湧き上がってくるんだけれど、でもそれを凌駕する天海祐希好きさ、新感線好きさ、というのも確かにあって、、、

とにかく好きなんだよ、天海祐希をナマで観るのは至福のひと時なんだよ、こんな人ほかにいないんだよ、こんな劇団もほかにないんだよ、とな。

 

千穐楽ライビュで見た、天海さんの、極楽の、「また救えなかった…」からの慟哭、虚無感。ここで更に物語に引き込まれた。

周りで兵庫が死んでいった仲間たちの間を駆け、必死で声を掛けているのだけれど、あの兵庫の姿や声が、背景と化してしまうような、天海極楽を中心とした大きな哀しみの渦。

台風の目のように天海さんがいるところだけ、聴こえてはいるのに音がなく、ただ静かであるように感じられた。

ライブビューイングであっても、あの場面を見られて良かった。そんな芝居。

 

 

 

芝居といえば、三宅さんと川原さんの間の良さが素晴らしかったと思う。

川原さんの殺陣が美しく鋭すぎるのは周知の事実だけれど、川原さんは芝居も同じぐらい鋭くて素敵。

三宅っちは、毎回毎回慣れることをしない、新鮮さのあるカンテツを見せてくれていて、今回の修羅天魔最大の功労者なんじゃないかとも思う。

ツイッター見ている限り、清水くるみちゃんと仲が良さそうで、楽のカーテンコールで、三宅さん、くるみちゃんの手を取って高く上げてたんだけど、「や゛め゛て゛(涙)そういうことされたら泣いちゃうからや゛め゛て゛…!!(涙)」と、くるみちゃんの喚きを全部マイクが拾ってて、めちゃくちゃ可愛かった、愛おしかった。

くるみちゃんもこの長丁場、あれだけ台詞あって、動きまくってたのに、声も枯れず、ずっと元気で、それだけでもすごいのに、この子の沙霧が、迷うお蘭の道を照らしてくれた。

ありがとう、くるみ沙霧!

 

 

 

ああ3月から長く長く続いた修羅天魔がついに終わってしまった。

去年から長く長く長く続いた髑髏城がついについに終わってしまった。

とってもとっても楽しかったよ!髑髏城!!

とってもとってもありがとう!劇団☆新感線!!

メタルマクベスでまた会おう。

そして、私はあの二人を追いかけて、池袋へ、行こう。

 

あーーーたのしかったー。

キャスト、スタッフの皆さん、お疲れ様でした。

そして、ありがとうございました。