2020年 五月の恋@WOWOW
つねづね、つねづね…もう十数年?
「ほぼ一部屋だけ、会話だけで続いてく、なんの事件も起きない、でも面白いドラマが観たいんだよねぇ〜」
と思い続けていた気がする。
『やっぱり猫が好き』のラブストーリー版、みたいな?
三密を避けて通れない通常のドラマ撮影がストップし、それでも何かテレビドラマならではの面白さを、と吉田羊さんを筆頭に脚本に岡田惠和さん、相手役に大泉洋さんが集まり……
あれ?これ叶ったな。
初回、羊さん演じるユキコと共に、おいおい泣いた。
自分の苦しかった、辛かった、日常の些細な一言から受けた心の傷のことを、誰かに話すことができてホッとして、でも話しているそばから思い出して辛くて、おいおい泣いちゃうあの感じ。
良い意味で心の緊張の糸を、一回切ることができたんだと思う。
自分にとってもお芝居を観て泣く。笑う。
って同じことだったなぁ……
この2ヶ月、舞台も観られず、映画館にも行けず、過去の作品は家で観ていたけれど、今現在と空気感を共にするお芝居を観られていなかった。
演劇も映画もさ、時代背景は過去だったとしても、お客さんと客席を共にしている空間は今じゃん?役者さんも今の人なわけでさ?
友達とご飯行く約束も全部白紙。会う約束すらできない。
自分が楽しみにしている外のことがぱったりとなくなってしまってる。
でもテレビに映る吉田羊を観て、ユキコと一緒に泣けた。
大泉さん演じる元夫が泣かせてくれた。
すーっと心の中に風が通ったみたいな感覚だった。
1話15分弱×4回で終わるので、会話劇好きの人なら特に、なにがなんでも、強めにオススメしたい。
WOWOWさん、こんなのYouTubeでも無料配信してくれちゃって良いんですか?あとで、ありがとうの声?メールとかなんかで?送りますね。
脚本の岡田惠和さんは、やっぱり私が一番好きなドラマの脚本家さんだった。
元々場面ぽんぽん変えるより、キャラクターが乗ってきたら、ワンシチュエーションでどんどん会話させたい、許されるならそれだけずっと書いてたい、みたいな方だと思われるので、この電話だけで進められる会話劇、今にうってつけだよ、岡田さん!
三密回避で諸々制約されたら、一番観たいものが出てきちゃったよ!ありがとうだよ!
本当にこのドラマも、そしてこのドラマの中で描かれたことも、この状況下だったからこそ生まれた出来事でさ。
なんか良いことあるものなんだよね。
岡田さんは大体いつも死んじゃうこととセットで生きることの楽しさを、日常にサクッと織り交ぜて届けてくれるよ。
もうほんと、大泉洋が4話で本気出してくるので、岡田さんもお砂糖3割増しぐらいで甘々にあえて仕上げてくれたのだと思うので、ニマニマにこにこしちゃうラブストーリーならではの、あの感じを元気がなくなりそうになったら、私はこれからいつでも楽しむ!!
羊さんがまた意地っ張りでかわいいんだ、また。
4日間毎日たのしかった〜、そして明日からもモトオとユキコ、元気でいるかな〜?とか考えたらまだまだ楽しい。
しあわせなドラマでした。