2018→2019
振り返る間もなく2018年が終わってしまいましたが、振り返っておきたいので、振り返ってみます。
何はともあれ、2018年は、
でした。
『贋作 桜の森の満開の下』は、なんていうかもう、すごかった、な。
いつ野田さんのこの作品の存在を知ったのかは、もう覚えていない。
演劇ファンになった私の中で、気がついたら野田秀樹の『贋作 桜の森の満開の下』と毬谷友子の夜長姫は伝説になっていて、一番観たかったけれど、生まれた時代で間に合わず、観られなかった作品、だった。
それがもう一昨年になりますね、2017年に歌舞伎座で観ることが叶い、舞台を観ながら走馬灯を観るという体験をし…って、死にそうになったわけではないですけどね、走馬灯。でもこれまでの、この作品に至るまでの私の中の記憶が、頭の中で次々蘇ってきて、それが全て今観ている場面に繋がって腑に落ちる、という不思議な体験をした。
これを観られたから、私の中の桜の森〜に対する情念も昇華された気がした。
の、ですが、しかし決まった野田地図版。
なんだあのキャスト、アホか、野田さん 、殺す気か、チケット取れんのか。
しかし、殺られる前に殺れ、だ。
演劇を見始めて今年でやっと14年目ぐらいになるのですが、この5年ぐらい出してなかった本気出して、獲りに行きました。狩り、狩り、チケット取りなんて狩りみたいなもん。
発売日前のヒリヒリする感じとか、スリルがあってたまんないですよね。
友だち総動員、ありがとう!とたくさんの感謝と共に、手元に舞い降りてきてくれたチケットちゃんたちは東京3枚、大阪1枚、北九州3枚の合計7枚。
千穐楽だけ当日券で観劇したので、観劇数としては8回。
過去、観ることがどうしても叶わなかった悔しさを1回、1回が埋めていってくれるような、得難い観劇体験でした。
どうしてもこの公演は勘三郎さんと切り離して考えることができなかったと、改めて振り返ってみても思います。
『足跡姫』から続いた野田さんの中村勘三郎追善公演が、野田地図版の桜の森〜でやっと幕を下ろしたような感覚があった。
『足跡姫』の初日を観劇していた勘九郎さんが、終演後の舞台を愛おしそうに眺めていた、あの眼差し。
『表に出ろいっ!』の再演で勘三郎さんとやってきた仕事をブラッシュアップして振り返り、歌舞伎座で『桜の森の満開の下』を上演。
ずっとずっと歌舞伎化の噂が絶えなかった桜の森〜が、勘九郎さんと七之助さんの耳男と夜長姫で上演された。途絶えた夢が、形を変えて次に繋がる希望の光になったようだった。
そこから更に一歩、野田さんが踏み出したのが野田地図版の『贋作 桜の森の満開の下』だったのかもしれない。
もういない、ことを確かめるように。
だけれども、いない、からこそ創ることをやめない。
彼がいたことを伝えることをやめない。
ずっとずっとずっとあの孤独で果がなく美しい桜の森の満開の下に座り続ける創作者の覚悟。
野田秀樹の想いを受け止めて、日本を代表する役者さんが集まり、素晴らしい作品を一丸となって作り上げてくれた。
こんなキャストが揃うこと、もう2度とないかもしれない!
アンサブルに至るまで完成度が高すぎて、古田新太ぐらいにしか隙がないのが唯一の欠点。
みたいなそんな作品でした。
深津さんの夜長姫が、役柄の重要度もあるけれど、これまでの全ての桜の森の満開の下を背中に背負って、そのまま舞台を駆け抜けて行ってくれた。
ものすごい男気とリスペクトで日々の舞台をつとめてくださっていたに違いない。
初日からずっと夜長姫だったのだけれど、あの小さな身体の中に毬谷友子も中村七之助も内包して、エネルギーに変換し、更に猛スビードで坂道を下りていったのが、深津絵里の夜長姫でした。
深津さんの夜長姫に出逢えたこと、彼女の夜長姫が途中、毬谷友子の夜長姫をも見せてくれたこと、私は、本当に嬉しかったし、本当に感謝しています。
野田地図滞在中は自分も滞在しよっと、と軽率に北九州4泊したのもめちゃくちゃ楽しかったし、新しい呪いの始まりという感じで、清々しく、やっぱりここから逃れられないな!と実感させていただきました。
これからも末長く、野田秀樹が好き。
2018年のトピックスその2の『アベンジャーズ』。
洋画を見る楽しさを与えてくれた!
今まで映画館で観る映画は邦画ばかりで、洋画は大作であろうと傑作だろうと、さほど興味がなかったのに『アベンジャーズ』を見て、
楽しいものは全部見ようぜ。
とすっかり気持ちを変えさせられた。外国人俳優の顔の見分けもつくようになった。
おかげで、生まれて初めてお盆に合わせて、大作がなんかいっぱい上映される!というお祭り体験も知ることができました。
『ジュラシックワールド』『オーシャンズ8』『ミッションインポッシブル』
を全て見たよ、面白かったよね、この3作はいちお抑えよっ!と嬉々として映画館に足を運んでいた自分も面白かったよね。
クリプラかわいい、ルーデビかわいい、イーサン死ぬな。
あぁ楽しいって増やせるんだなぁ。
としみじみ実感できて、それもとても嬉しかった。
楽しそうなことにはどんどん首を突っ込んで生きていこう!
と改めて思えた。
そして、そんな決意早々首根っこ向こうから掴んできて、頭から私を沼に沈めたのが、東京コミコン。
マチソワって何?と同じ感じでコミコンって何?状態だったんですよ。
いや今もよくわかってない。
あれは、11月21日だったと思います。
『贋作 桜の森の満開の下』のマチネを「この観劇が最後になるかもしれない」と噛み締めるように見終えて、寂しいけれど満たされた気持ちでいたところ、
ねぇ!!!!コミコン!!!!!
とURLの入った、LINEが、友人から。
アンソニー・マッキーやらセバスチャン・スタンが来日キャンセル、というニュースは横目で見ていて「やっぱりハリウッドスターの日程を抑えるのは大変なんだねぇ」なんて、いつかの日の参考に、ぐらいの気持ちで眺めていたら、その穴埋めに、
ジェレミー・レナー来るってよ。
いやいやいやいやいやいやいやいや、え?え??嘘でしょ?なんで?あと10日後にはもう来日してんじゃん。え、今さ、桜の森見終わって、もうそれだけで胸がいっぱいなのね?わかります?わかりませんよね。え、なんだって?ジェレミーレナーがコミコン?だからコミコンってなんなんだよ!!わかんない、こわいよー、嘘でしょー。なんだー?コミコンってー。
(芸劇のB1、ソファーで受け止めきれず、灰になる。本当にしばらく動けなかった。笑)
で、ちょうど一ヶ月前だ。12月1日、2日で行きましたよ、コミコン。
両日共撮影&サインの全4回会うぞ!構成で。訳わかんないままGo to 海浜幕張。
ジェレミー・レナーは実在した。
顔とスタイルがどタイプなのは映像を見ていても感じていたけれど、でも実際にその人本人がそこにいる衝撃。動いて、話しているという衝撃。あの声で。
1日目の撮影時、ジェレミーが腰に回そうとしてくれた右手が私の左手とぶつかったのですが、触れた、生きてる。ってか格好いい。革ジャン着てる。時間押しまくってるのに、最後まで残ってサインしてくれた。利き手じゃない右手で握手もしてくれた。「会えて嬉しいです」って言ったらあの変わった笑い声でへへって笑ってから、さんきゅ〜って言ってくれた。1日目のサインのときメガネかけてた。髪型かわいい。オーラまで優しくて渋くてイケメン。うう、メガネ(涙)
よく今日まで私、生きてたな。
実際に会えて、実感が湧いて、あ、本当にこの役者さんのこと、私好きだって確信を持って、4月26日、エンドゲームを観られるなんて、幸せ以外の何モノでもない。
『アベンジャーズ』にハマって半年ほどで、あの映画の中にいた人に実際会えた!
これも2018年のトピックス。
総じて、楽しかったな〜。
というアホみたいな思いしか湧き上がってこない、2018年でした。
みたいじゃなくて、アホなんだなー、アホでいいや〜、へへへ〜。
どうやら厄年だったっぽいんですが、とりあえず笑い事で済まされるような事件だけで乗り切れたかな、と。
米倉涼子、勝村政信コンビ(この人たちそろそろコンビでしょう)も相変わらず大好きだから、『リーガルV』も面白かったな。
自分の中に渦巻く感情はそりゃ様々あれど、Twitterやこうしてブログやらに書き留めて、知らない他の誰かの目に触れるかもしれない言葉は、好きなこと、楽しいことを伝えるためにありたい、と新年早々思ったりもしています。
「楽しい」という気持ちが、知ってる人でも、見知らぬ誰かにでも伝わって、それが例えば劇場に足を運ぶキッカケになってくれたら、嬉しいな、と。
石井ゆかりさんの年報がしっくりきたので、最後に貼っておこう。
2019年も楽しくしよう。よろしくお願いいたします。