Garigaraseru

◎お芝居と食べ物のきろく◎

それでも恋するバルセロナ

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KERAさんがつぶやくたびに、いつかウディ・アレンの映画を観ようと思い続けて早幾年。

シャーリーズ・セロンも好きになったし、スカーレット・ヨハンソンも、もちろんアベンジャーズなので大好きだから、その辺から観ていこうと『セレブリティ』、

『マッチポイント』、『タロットカード殺人事件』を観たのかな。でも『カイロの紫のバラ』が近所のTSUTAYAにもネットレンタルにもないんだ。でもでもそのうち観るぞ。

 

さて、スカヨハちゃん出演の3作目『それでも恋するバルセロナ』。

 

ラストシーンの女二人の表情最高。

 

「無」だよなぁ、もはや「無」だよ、バルセロナでの出来事全てが。

芸術家の生き方だったり、そこそこお金持ちの夫婦の生活だったり、愛だったり、なんだったり…を全部一回皮肉のフィルターを通して見ている感じに中盤以降は思えてきて、だんだん全部が滑稽にも見えて来た。

 

元夫婦のペネロペ・クルスハビエル・バルデム(実際この映画がきっかけで結婚したらしいのに、映画の中では元夫婦)、そして現恋人のスカヨハ、3人の共同生活が軌道に乗ったあたりは、愛憎の三角関係の複雑さが美しかったり、尊いものであるように思えたりするのもわかるけど、ふと夏の終わりに冷めてきて、アメリカに戻ろうとするスカヨハちゃん演じるクリスティーナの気持ちもわかる。実は人、季節で、気温の変化で冷静になっちゃったりすると思う。

ハビエル演じるフアンは、わっかりやすい色男でして、一緒にバルセロナに来ていたクリスティーナの友人、ヴィッキーとも関係を持つわけだけれど(もう実は四角関係)、彼女は婚約者がいる身。婚約者は堅実な、結婚するにはもってこい!なタイプな男性だけれど、フアンのような危ない色気はまるでない。結局結婚してからも、ふらっとフアンに流れてしまいそうになるけれど…

 

バン!!と銃声が響いた瞬間に、スパッと思いが消える。

 

あの瞬間ヴィッキーの感情が、もう一度彼と…っていう甘いところから、あーなんだったんだろう、バカらしい自分、みたいなところまで急変してたのも、そんな体験したことないけれど、わかる気がする。

 

クリスティーナとヴィッキーの、その感情の変化ってどちらも本当だよな。

あんなに急激に熱くなったり、醒めたり、ヒトって面白い、変わってる。

一時のラブストーリーの純粋さよりも、その間の感情の高低差が興味深くて、もはや笑いが漏れる感じで行く末を見続けた。

 

で、ラストシーンの、クリスティーナとヴィッキーの顔ね。

 

こういうこと繰り返しながら生きていくんだろうな、この二人も、たぶん私も(笑)。

 

 

ウディ・アレンの映画、こんな感じなのかな。

『セレブリティ』とかも皮肉さ、人生の滑稽さみたいな点は通ずるところがあったと思う。まだまだいっぱい作品あるので、ちょこちょこ見続けてみよう。ケイト・ブランシェットの『ブルージャスミン』とかも、似た匂いがしそうだな。

観た4作の中だと『それでも恋するバルセロナ』が私は、一番面白かったかも。

 

 

あ!自分の洋画レベルがちょっと上がっているのも、実感できた!

それこそハビエルは『ラスト・フェイス』の髭の相手役だし、ヴィッキーはどこかで見たことあると思ったら『ザ・タウン』のベン・アフレックに惹かれる彼女役、レベッカ・ホール

 

顔が、見分けられるようになってきた。

宝塚みたいだ。