Garigaraseru

◎お芝居と食べ物のきろく◎

ストーリー・オブ・マイライフ わたしの若草物語@映画館

f:id:accomplice6186:20200623003112j:plain

ジョーとベスの海辺の砂浜のシーンがとっても綺麗だったよぉ…。

 

こちらのサイトさん、すごくわかりやすい!

アカデミー賞(歴代オスカーの全結果リスト)2020年最新、ノミネート付き

2018年の『アベンジャー/インフィニティ・ウォー』をきっかけに、ドカンと洋画に目覚め、今年、アカデミー賞の授賞式見たくて、出たり入ったりしてるWOWOWに再加入したりもして、今日の『ストーリー・オブ・マイライフ』で今年の作品賞ノミネート作品、すべて観たのでは?

 

『パラサイト 半地下の家族』、『1917 命をかけた伝令』、『ジョジョ・ラビット』、『アイリッシュマン』、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』、『ジョーカー』、『マリッジ・ストーリー』、『フォードVSフェラーリ

 

観たな。

一歩進化を遂げたな、じぶん、おめでとうございます。

一番好きなのは問答無用で『ジョジョ・ラビット』で、一番すごいとぞわぞわしたのは実のところ『アイリッシュマン』の重厚さかもしれない。『アイリッシュマン』の幕切れ、一人の男の人生を丸ごと見せられたようで、ググッときた。

でも『パラサイト』が作品賞を受賞するのは、納得でしかなかったなぁ。

 

コロナの影響もあるけれど、元々日本での公開日が遅かった『ストーリー・オブ・マイライフ』。

私は未読なのだけれど、原作はルイーザ・メイ・オルコットの『若草物語』。

映画では少女時代と現在とが交差しながら物語が進んで、観客が見てきたものが最後にすべて一冊の本にまとめられていくような感覚。

四姉妹の姦しさ+女1の華やかな賑やかさと、そこをふっと足を踏み入れたお隣のローリー君との対比とか、四姉妹それぞれの性格とか…日常の中からふわっと人物が立ち上がってくる。

確かに予告通り、ジョーの「女の幸せは結婚だけじゃない」「小説家になることが私の全てだった」という女性の自立、生き方の話でもあるんだけど、もっとみんなの心の中は複雑だし、だからこそあったかい気持ちも、生きてくことの苦さも詰まった映画だと思う。

 

スカーレット・ヨハンソンが『ジョジョ・ラビット』で助演女優賞取れなかったの悔しかったんだけどさ、そうかローラ・ダーンって『マリッジ・ストーリー』の弁護士さんで、『ストーリー・オブ・マイライフ』では四姉妹のお母さん。 

こっちも見たら、もうこれも納得せざるを得ない。

ジョーへの目線の送り方とか絶妙。

気がついた時には相手の心が変わってしまっていることがあるのを知っていて、私だって短気で怒りを抑制できない人間なのよ… ってジョーを諭すあの感じ、ジョーと一緒になって「お母さん…」って泣きつきたくなった。

 

ものすごく個人的に映画の中のエピソードを見て思い出したことがあって。

何年か前の引越しの時に、私の部屋から現像された写真の山と大量のネガが出てきて、写真は捨てなかったんだけど、ネガを母の許可を取らずに捨ててしまいましてね…。

今となってはなぜそんなことをしてしまったのかと反省するのみなのですが、でも当時は一向に片付かない部屋から、一生使わないだろうものが次から次へと出てくるのが腹立たしくて、ネガもその一つだ!ともうヤケになっていたんです。母とも喧嘩のようになっていて。

どうせ気づかない。どうせまた現像なんてしない。さようなら。

しかし、後日それを知った母に猛烈に、もう泣く勢いで責められて、「あれは私の老後のたのしみだったんだ。これだけは許せない。」と…。

映画では、四女のはすっぱエイミーがジョーが大切に書き溜めてきた原稿を、喧嘩してカッとなって焼き捨てるシーンが。

 

やめろぉぉぉぉぉーーーーエイミーーーーーーーーーーーー

カッとなってもやっちゃいけないことが世の中にはあるんだぞぉぉぉぉぉぉ

もーーーやーーーすーーーなーーーーー………あーーーー……

 

「もう一生許さない」

 

母の声とジョーの声が重なって、でもどこかでカッとなってやったエイミーの気持ちもわかってしまって、胸が痛かった。

 

私の話を映画とを結びつけて申し訳ない気持ちもあるけれど、こういう取り返しのつかないことが、小さなことから大きなことまで繰り返しで、自己嫌悪の嵐であったり、姉妹がいて良かったこともたくさんあるだろうし、いない方が良かったと感じることもなくはなかっただろうし…

 

結婚したいと思わないのに独りがどうしようもなく寂しい…って泣いちゃうジョー…

小説家になることと家族、どっちが大切か…

割り切れないよねぇ、いつも、いつも、いつも!

 

でも、その割り切れない、いっぱいの気持ちと記憶が一冊の本に、そしてこうやって映画にもなった。すごく瑞々しい。