シャン・チー/テン・リングスの伝説
『シャン・チー』観てきたー!!
まずMCUが与えてくれた、映画を楽しむ時間に改めて感謝をしたい。
この記事に詳しく書いたけれど、米倉涼子のブラックウィドウ吹替がきっかけという超少数派の角度から、インフィニティーウォーを観て、その後ほぼ水しぶきをあげずに入水するという得意技を久々に使ったのがMCUだった。
待ちに待った『ブラック・ウィドウ』から、ほぼほぼ間髪入れずの『シャン・チー』公開。
『ブラック・ウィドウ』がインフィニティーサーガの終わりのおまけでもあり、そしてフェーズ4の始まりを告げた、と。
やっぱりアベンジャーズメンバーへの思い入れが強いので、今後のMCUとのお付き合いが自分の中でどうなっていくのかは、気になるところ。
ディズニープラスでのスピンオフはあれど、まず映画だと『シャン・チー』から始まるわけで………
いやぁ、楽しかったぁぁぁぁ!!
一度掴んだ心は離さない、さすがのMCU。
確実に人生においての楽しい時間を増やしてくれる。
ちょろいと思われようがなんだろうが、楽しんだもん勝ちの精神。
何が楽しかったのかなぁ。
まず、シム・リウ、オーク・ワフィナのコンビかな。
恋愛には発展するのか今のところ未定の、でも既に恋だの愛だのを超えた、強い友情関係。
会話のテンポも良くて、過去のいろいろからちょっと控えめに日々を過ごしてるシム・リウ演じるシャン・チーと、物怖じしない押しの強さとユーモアのあるオーク・ワフィナ演じるケイティは好対照。
でもケイティがピンチになると、真っ先に助けようとするシャン・チーの格好よさね。
アクションシーンは肉弾戦が多くて、まぁカンフーでいいんですかね、これまでのMCUとは毛色が違う、けれどもMCUを感じさせるもので、新鮮に楽しめた。
ラスボスシーンで龍が出てくるのもいい。
チタウリ VS 龍みたいな図はこれまでなかったわけで!!
英語字幕はdragonってなっていたけれど、声ではシェンロンって言っていたと思う。違うかなぁ?
出てくるのはもちろん、そこに限った話ではないでしょうが、ドラゴンボールを読んで、見てきた人なら誰もが知っているシェンロン。
"かめはめ波"も会話の中に出てきたし、いろいろなアジアの映画であったり、アニメであったり、漫画であったりからたくさんのインスパイアを受けているのだろう。
ブルースリーとかジャッキーチェンとかを知っていたら、もっと楽しいのだろうな。
映画ファン、次々とここはこの人のあの映画だ!みたいに連想が続いていくの、すごい。
この映画、父と子を軸とした家族の物語だったのだけれど、父親を演じたトニー・レオンがとてつもなく素敵でした。
魅力的な、色気のある、そしてこの父だからこそ超えることに意味がある、シャン・チーにとっての切ないヴィラン。
彼の根底にはずっと愛情があったのだろう。
だからこその憎しみ、悪への転化だし。
奥さんとの出会いから、気持ちを通わせていくまでの戦闘シーンが実に良い。
戦うことを通して相手を知って、思いを寄せていく様が描かれていて、そりゃお互い惚れるよなと納得。すごく綺麗なシーン。
あの場面と、その後夫婦の穏やかな生活の描写があるので、妻を失った彼の悲しみが悪の道に進ませるというのは、わかる。
理由を聞くと、ター・ロー村に押し入ったのも、彼の中では正義だったから。
ただただ愛する妻を取り戻したかっただけ。
トニーとペッパーみたいかもしれない。
なんというか、ペッパーをかつて武器を売却していたテロリストの逆恨みで殺されて、闇落ちするトニー…アイアンマンですよね、シュー・ウェンウー。
もう、最後の、トニー・レオンの表情が絶品。
語らずともあれで彼の想いが深く伝わってきた。場所を探していたんだろう。
そして、その父親の憎しみに巻き込まれ父親から疎外され、さらに大好きだったお兄ちゃんにまで裏切られたと感じ、家出して、インチキファイトクラブ経営してのし上がった妹のシャーリンも映画に華とスパイスを。
女性のアクションシーンも格好いいよね〜。
シャーリンちゃっかりしてるんだわー。
それにしてもこの家族は、相手を思うがあまり憎む、とりあえずぶん殴る、みたいなところがあって、因縁が深くなりすぎる。
アジアの描写も私は違和感なく受け入れられた。
やはり竹林とか、日本では妖怪になるのかな?九尾とか出てくると、おっ、となって自分がこれまで接してきた文化と近いものを感じたりする。何だか少し嬉しい。
けれど、あくまで架空のアジア、ファンタジーではある、と。モーリスの登場でも、ファンタジー感はより強まる。
いや、ジェットブレイク観た時は「もうちょっと東京をちゃんと見てから描いてくれないかな?」と正直なところ思ったけれど、この世界観の中で、もし日本を強く打ち出したとしても、私はすんなりと受け入れると思う。
日本人、こんなことしないよ!という描写があっても、ファンタジーだから、モーリス激かわ!で自分の中ですっと解決できる。
ただ自分自身の文化って何かな?とか、それが世界からどう見られているのか?また世界をどう見ているかとか、エンタメである映画を通して考えるキッカケをもらうなぁ。
ウォンが出てきてストレンジ先生とのつながりができ、右手を負傷したままの彼や、ニック・フューリーのお友達な彼女だったりも登場して、ここから新しくヒーローたちの物語が始まるのだと実感する。
全てが変わっていくのかもしれないし、サノスから地球を守った彼らから受け継がれるものもあるのかもしれないし……
これからも『エンドゲーム』後の世界が続いていく。
ただ私はこの『シャン・チー』を見終わった後、
トニー・スタークも、スティーブ・ロジャースも、ソーも、ブルース・バナーも、ナターシャ・ロマノフも、クリント・バートンもシャン・チーもみんな好き!
と思えたことがとっても嬉しい。
好きな人が増えたマーベル・シネマティック・ユニバースから、これからも目が離せない。
そういう先を楽しみにさせてくれる映画の存在は、本当にありがたい。
大袈裟でなく生きる楽しみ!!