Garigaraseru

◎お芝居と食べ物のきろく◎

せなかのせなか

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地味にシスカンパニーがニコ動で続けているシスチャン情報局をタイムシフト視聴で見ていたわけです。

いつもマギーさんが司会で、今回のゲストは勝村政信杉本哲太の仲良し二人組。

相変わらずの哲太さんのジム通いの話やら、サッカー日本代表の監督交代やらの話があって、こちらも相変わらず、シスの大抵1月には行われない、ほぼ事務所の全員が集まると噂の新年会の話になった。

 

どうやら、この事務所の新年会では毎回一人一言ご挨拶みたいなのがあるらしく、去年だか一昨年は勝村政信、クリスマスにいぼ痔の治療をしたよ!という、クリスマスイボの話をしたってのは、別の回のシスチャンでもバラされていた有名でもなんでもない、ひどいネタ話。

 

今年勝村さんがどんな話をしたのか、マギーさんが教えてくれた。

 

まずはサッカーの話から。

ブラジルの選手たちが強いのは、想像力があるからだと。技術があるのはもちろんだけれど、いざ試合になると自分たちでも何をするかわからない。相手を抜くために、ひとつのパスを通すために…最大限の想像をする。僕たちはそういうサッカーをしている、だから君たちには負けないよ。と言える。

そこから芝居の話を繋げる。

かつて夢の遊眠社が広げた想像の羽がどれだけ素晴らしかったか。僕らはその背中を見て育ってきた。先輩たちは本当に格好が良かった。役者である僕らも、台本を前にした際に最大限の想像力を働かせなければいけない。

 

要約こんな感じだと思うのだけれど、まとめ過ぎなのかもわからないけど、でもきっと言っていることは、こんなことだったはずで、なんだか胸がいっぱいになってきて涙がちょっと出た。

 

 

私は今思うと時期的にちょっとおかしなところで野田秀樹のことを好きになっている。

野田地図でやった走れメルスで、いわゆる雷、脳天に直撃!的な衝撃を受けて演劇に魅力を感じるようになった。あれはHUNTER×HUNTERでいう強制念能力発動みたいな感覚だったんじゃないかと、今も思っている。念能力者な戯曲の中では若くて、実際にはおじさんになってた野田秀樹が演劇という発を使って、凡人な私のちっぽけなオーラの穴をこじ開けた。

メルスは野田さんの遊眠社時代の若い戯曲、それを野田地図で再演した時にカミナリ。遊眠社と野田地図の狭間。

そこが今思うと奇妙。

 

その後、演劇を観るようになって、松本潤の『白夜の女騎士』『あゝ、荒野』、小栗旬の『タイタス・アンドロニカス』『カリギュラ』…若い世代への蜷川、野田イズム継承式ど真ん中を一緒に観てきたな、と。

 

蜷川・野田ー松本・小栗

 

この世代間の「ー」、この棒のところに、潤くんの場合は勝村政信がいて、旬くんの場合は吉田鋼太郎がいた。

私はそう感じながら、繋いでくれる、鋼太郎さんや勝村さんの背中を観て観客を続けてきた。私も私なりに鋼太郎さんや勝村さんのことを尊敬して、格好良いと思い続けて今の今まできている。

 

その勝村さんが、遊眠社を語り、その先輩たちをリスペクトしているのが、本人やマギーさんの話ぶりから伝わる。

私は役者じゃなくて観客だけど、追うべき背中がちゃんと繋がっていることが、とてもうれしい。涙でる。

 

マギーさん「佐戸井さんとか、『もうちょっとやってみるよ』って鼓舞されてましたもんね」

勝村さん「うん、格好よかったね」

 

うれしそうに、笑う、勝村さん。

 

うん、あなたもかっこいいよ?

 

 

写真は私の呪いの宝物。

走れメルスのパンフにいただいた野田さんのサイン。

勘三郎さんのサインに歌舞伎版桜の森の満開の下初日に散った桜の花びら。

そして蜷川実花うつくしい日々のポストカードに勝村さんのサイン。

脈々と私も大事な演劇がつながってゆけ。眺めるたびに思う。

私も、これからもずっと呪われ続けたい。

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この写真は逝ってしまった日のものなのかなあ。

2016年5月12日の空がうつくしかったこと、私も鮮明に覚えている。

涙でるなあ。

修羅天魔 髑髏城の七人 Season極@ステージアラウンド東京

修羅だ。天海祐希は。

 

3月、初日開けてから1週間ほどの時に初見、そして野田地図会見のあった今日、2回目を観てまいりました。

初見は5列目、やや下手よりセンターブロック。今日は7列目の下手。

これまでの髑髏城では13列目より前に座ったことがない私にとっては、極でこの席が出たのは神の思し召し。

 

神とは天海祐希のことか。

 

だいぶ下手側の席だったので、ラストの極楽の回想回転シーンを真横から見るような視点になった。

天海祐希が見つめる観客の横顔が私の席からも見える。

 

この女優、満席1314人の観客の視線を一手に引き受けて、まるで負けない。

負けないどころか輝きで刺激し返す。

なんてふてぶてしく、高慢な人だろうか。 

 

テレビや雑誌のインタビューなどで見せる姿はいつだって謙虚で、質素で、可愛らしくもあるのに、舞台の上の天海祐希はこれ以上ないほど自分が美しく優れた存在であることを知っている。

高慢、というと「他をあなどる」いう意味も含んでしまうのだけれど、誰かをあなどることはせず、でも自分をありったけ見せつけてくる。普通の人間の所業ではないと思った。姿形だけでなく神経のつくりも、違う。神々しさ。

 

修羅か。天海祐希は。

 

私はそんな天海さんが大好きで、好きで、好きで、観ているだけ泣けてしまう。大人は泣けてしまうんだ。

この感覚になるのは、天海さんだけだなぁ。それも新感線の天海祐希が格別。

 

今日だと、天魔王にキスされたあとに絶対零度に落ちる、あの凛々しき冷徹さに惹かれた。

瞳からそういう瞬間だけ光が消える。

優れた女にしかできない瞳の芝居。

天海さんは、こういう表現のディテールの積み重ねで演技を作っているにも関わらず、その細部を大劇場規模にまで伝えきる見せ方と華を持っている。

音と動きを合わせて見得を切る、みたいなことが抜群に上手い。

 

でも、こんなに細かく様々な積み重ねを経て芝居を作っているのに、それがその日の感情の動きによって揺れるのが、天海祐希のまた面白いところ!

 

今日見た極楽は、声の出し方が特に漢度高い、高い。

べらんめぇ口調になる感じとか、ビルかよ?(笑)と思うぐらい、ハキハキと台詞が潔く強め。

初見の時の方が、渡り遊女らしく、もう少ししなやかで、はんなりしていた気がする。

 

オオアマやるよ、男役やるよって会見してきたからなんですか?天海の姐さん。

 

って思っちゃう。

 

ライビュも行くことにしたし、あと2回劇場でのチケットも持っているので、とことん天海祐希を楽しもうと思う。

 

ーーーーーーーーー

 

あ、今日見てて、原田保照明さすが!と思ったところ。

天魔王が影なのか本物なのか?という髑髏城での、極楽と二人の場面。

あれ照明で、だと思うんだけど、天魔王の影が青と赤に分かれて浮かび上がってた。

そう、あの一人の中に二人、いる。

だから極楽が迷う、動揺する。

さすがな視覚効果。

 

また作品全体についてもいずれ。

一番髑髏城を見たぞ!ってなったのは、やっぱり花だったかな?その次が下弦かな、みたいな感じでは観ております。

野田地図第22回公演にまいる

なんだろな?映画かな?

と思った。

 

吐きそうになるキャスト。

吐く作品。

野田秀樹桜の森の満開の下が大好きだ。

 

走れメルス〜少女の唇からはダイナマイト!〜』を観て野田のおじさまに心を奪われた私は、遊眠社を観られない世代に産まれたことを悔やんだ。

それならこれから先、こんな歯痒い思いをしないよう、今観られる作品をひとつひとつ大切にしていこうと、悔やんだ気持ちがあるからこそ、思えている。

 

毬谷友子が夜長姫の贋作桜の森の満開の下が観たかった。

深津絵里の夜長姫だって観たかった。堤真一の耳男もね。

でも歌舞伎座で私はやっと桜の森の満開に下に身を埋めることができた。

 

夢って叶うんだなぁ

 

あの時観られなかった作品にも勝るような素晴らしい作品に出会う今がある。夢は叶う。

 

そしてまた新しい、野田秀樹の贋作桜の森の満開の下に出逢える。

 

大切に観ます。

演劇が大好き。

いやあ、まいった、まいった。

ナタ・デ・クリスチアノ@代々木公園

家の近くの桜並木がものすごく綺麗で、でも道路沿いなので、ゆっくり花見ができる場所ではなく、

 

あーーーーーーー!!

どうしてもお花見がしたい!!!!

あぁーーーー…もうっ……!!!!

 

という気持ちになったので、出勤前にひとりで代々木公園に寄った。土曜日です。満開です。人ばっかりです。

 

桜には近寄らなかった。

 

でも、これ、とってもおいしかった。

 

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ナタ・デ・クリスチアノのパステル・デ・ナタ(エッグタルト) ¥200(税抜)

 

機嫌が保てなくなりそうな時は、食べ物で機嫌を上げていくスタイルを最近貫いているので、どうしても美味しい物と一緒に桜が見たくて、食べログ検索したら、近くにこのお店。

奥渋、割と歩いて通るのに知らなかった!

絶対ここでエッグタルト買う!

決めてかかって代々木公園へ。

 

でも桜には近寄らなかった。

 

駅からは3.4分。こじんまりとした小さなお店。5.6人しか並んでいなかったので、20分ぐらいは待ったかな?でもサラッと購入できた。

 

本当はご飯がわりにチキンパイとかも買いたかったのだけれど、このパステル・デ・ナタ以外はほぼ売り切れだった!残念!今度買う!

 

サクッとしたパイ部分も含めて6〜7㎝ぐらいかな。割と小さめに感じられはするんだけれど、味が濃厚だから食べ出はある。

甘じょっぱいお菓子って、甘さを塩気が引き立ててくれるからすごく好きで、このパイ部分の塩味もとてもタイプ。

焼きたてはもちろんパリパリサクサクだったけど、2、3日経ってオーブンで温めて食べても、なおサクサク。おいしい!

中のたまご部分はカスタード寄りのプリンみたいな感じでトロっとしてる。ここが濃厚。

パイとフィリングのバランス抜群。

このバランスの良さから、試行錯誤を重ねてキチンと作り上げられているのがよくわかる、ちょこんとした丁寧な可愛いお菓子。

 

また買いに行こ。

 

桜は遠くからしか見なかったけど、公園でのんびりはできた。ふぅ〜っ。

桜散ったあと、近くに住んでる友達誘ってゆっくりしよう〜

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▲代々木公園の桜ではない桜

 

ナタ・デ・クリスチアノ
03-6804-9723
東京都渋谷区富ヶ谷1-14-16-103
https://tabelog.com/tokyo/A1318/A131810/13153384/

コジト@六本木

レストランて良い時間を過ごす為の場所だなぁ…と、おいしいくてきれいな料理とお酒を口にするたび身に沁みて感じた。

 

昼から贅沢しよう!ということで伺ったのが、六本木のコジトさん。

以前友人が行ったことがあって、美味しかったよー!とのことで誘われて一緒に。

聖地テレ朝の脇。けやき坂登ってすぐのちょっと路地に入ったところにある一軒家フレンチ。

黒いラブラドールくん(ちゃん?)(どっちだっけな?)とお店の女性が物腰柔らかに出迎えてくれて、コートや荷物を預ける。

にしてもお利口さんなラブだった。私なんか、撫でさせてもらった、みたいな感じだったな。飲食店に犬がいるってどうなの?って思う方には確実に向かないお店だけれど、この子がいるおかげでお店全体がほんわかする。いつもはリードに繋がれてるらしいのだけど、この日はリードを外され、客席内をウロチョロしていた。ひさびさに大きい子を撫でられたー!猟犬としても活躍してるんだって。

 

で、2名席に案内していただき、まず飲み物……スパークリング…いや?贅沢するんだからシャンパーニュいきましょうよ、ということで、たぶん、いただいたの、これ。パニエのブリュットセレクション(http://www.dis-export.com/champagne_pannier.html

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▲ハイ!綺麗!

綺麗なものは美味しい!

 

昼間から美味しいお酒飲めるのサイコーだね!ってところからまず、一品目。

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▲サラミ3種と黒オリーブのマリネ

 

鹿のお肉を使ったサラミが一番左の色が濃いやつだったかな。あとはハーブだかなんとかシードみたいなのが入ってると言っていたような。

一口サイズのオリーブもアンチョビの風味が香って、これからいろいろ食べるよ〜!っていう気持ちになる良い塩辛さ。ワクワクしちゃうよね、この後の料理に。

 

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真鯛とホタテのカルパッチョ

 

春を食べる、味と見た目。こういう透明感とか色鮮やかさを前にすると、しあわせだねー、となる。

 

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貴腐ワイン風味のフォアグラテリーヌ

 

このテリーヌの上のジュレがソーテルヌを使ってるって言ってた気がする。大人の甘さのジュレに滑らかなテリーヌの塩気ってこれは魅惑の組み合わせ。

写真には映ってないけれど、脇にリンゴのジャムと黒胡椒が添えられていて、それと一緒に食べても風味が変わるし、またデニッシュがね!デニッシュがさ!サクフワで美味しいの!さらにね…!

 

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▲サンクロワデュモンの貴腐ワイン

 

ご一緒にどうぞって。トロッとするー!フォアグラ、デニッシュ、貴腐ワイン…のループ。ありがとうございます。真っ昼間からさらに調子乗った贅沢になってきましたよー、あーたのしーたのしーおいしー。

 

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▲鰆のグリエ 香草とレモンのソース

 

緑、黄色、鰆、春!!

これは中身を先に見てもらった方がいい。

 

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火の入り絶妙。こんなの絶対家じゃできない。家じゃできないを味わいたくてレストランで食事をするんだ。皮目はパリッとしてるんだよ、だって!このあたりから食べるたびに「ありがとうございます」になってくる。

あ、この辺からバケットも用意してくださったかな?おかわりも聞いてくれた。おかわりした。

 

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▲栗とフォアグラを詰めたウズラのロースト

 

頼んだコースだとメインが仔羊だったんですね。

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…だったんですが、すみません、私が羊やらがどうしても苦手で…とワガママを言ったところ、ウズラなら用意ができますと、こちらのなんともう見た目から、ありがとうございます、なローストに変更いただきました。(予約の時にお伝え出来ればよかった…!申し訳ない!ありがとうございます!)

 

あれ?これ、人生初のウズラだね!

もっと野性味溢れるのかと思いきや、鹿とかも苦手な私でもペロッと美味しく食べられる雑味のない、良い意味で淡白なお肉。そこにフォアグラのコクと栗の甘味が加わって、更にソースの深み。

付け合わせのレンコンが私の中で大ヒットで、焼き目とちょっと強めの塩加減がアクセントになってお肉をより美味しく食べさせてくれた。

この淡白さだと今思えばピノ・ノワールだったのかな。そういえばブルゴーニュを最初に勧められたな。あ、ウズラと言えばピノって書いてある!なんでも勉強だ!なるほどな!こうやって合わせていくのな!神の雫な!(https://shokulove.jp/topics/ca02/s12/0169?id=100

でも、ボルドーもありますよ、と言われ、しっかりした赤飲みたい気分だったのでボルドーをお願いしましたです。

 

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▲コートドブールのロックドカンブ2011

これかな?(http://www.wine-echigoya.com/smp/item/roc-de-cambes.html)香りが芳醇で美味しかった〜。鼻から入ってふわっとする。ありがとうございます。

 

ウズラ食べ終わったら次デザート。

コース終わっちゃう。と寂しさを感じつつ…

 

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▲クレームダンジュ

 

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パッションフルーツのマシュマロとチョコ

 

チョコ大好き。

 

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カプチーノ

 

こんなデザート美味しいに決まってるじゃんね(涙)(泣いた)

結構さっぱり系のクレームダンジュだった。いちごの酸味もキレイに立つ。

 

食後のコーヒー、紅茶はご覧の通りカプチーノなども用意してくださり、友だちはハーブティーを頼んでいた。

おかわりいかがですか?と声をかけてくださったのだけれど、次の予定があったのでお茶は一杯でお暇しました。

 

自分にとっては背伸びランチではあるかもしれない。やっぱりレストランって接客されるだけの一方通行ではなくて、食べる側、お金を払う側でもあるんだけど、そちら側もお店の方と呼吸を合わせる必要のある、相互コミュニケーションの場だと思っていて、良い意味で対等であるべき。私はまだまだ足りないだらけだ。

その辺が演劇と似てるから食べることも好きなんだけど、ちゃんとした観客になりたいし、同じようにちゃんとご飯を食べられる人になりたいなと、たまの贅沢をしてより思うようになった。

 

7,000円のコース頼んで、2杯ワイン飲んで、会計は一人11,000円弱だったかな?

これ、知ってます?髑髏城より、修羅天魔より安いんですよ、これだけたくさん食べて。天海祐希、高い女だわー。でも同じぐらい満足度あるわー。

 

 

あーおいしいって幸せと直結する。

(新感線の天海祐希も幸せと直結する)

 

 

ご馳走様でした!

美味しくて楽しかったです!

一緒に行ってくれた友達もありがとう!

精進します!

ありがとうございました!

 

コジト
〒106-0031 東京都港区西麻布3-2-15
12,000円(平均)4,000円(ランチ平均)

 

かつれつ四谷たけだ@四ツ谷

友だちとスカイツリーの宝塚のやつ行こう!って約束していたのに、仕事で駆り出され、別日に移してもらうことに…

 

むーーーーーめんどくせーなーーーー

ここは美味しいもの食べとくかー

あーー揚げものー、揚げもの食べたいわーーー

 

ってなったので、仕事の前に四ツ谷のたけださんへ。初。

 

街の定食屋さんだけど、働いてるお姉さんが割と同い年ぐらい?30前後な感じのお姉さんたちで、もっとおじさんとおばさんが「はいよ」って感じを想像してたんだけど、これは思ったより女ひとりでも入りやすいわ!

おじさんと向かい合わせの相席だったんだけど、荷物置くとこないから、ま、じゃ、別に地べたでも…と思ったら、またお姉さんがカゴ持ってきてくれて、『あぁこのサイズ感の定食屋さんで、そんなことまでしてくれるんだ…!』とさらに好感度アップ。

 

もうあれだな、食べる前から美味いな。

 

揚げ物の口になってたので、熟成ロースカツ定食頼みました。

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▲1,180円

 

見てよ、この綺麗な1,180円。

すぐ食べたくなって、写真撮る前にかじったからね。

うまいよね。

 

塩ver.

ソースver.

キャベツ(ごまドレ)と一緒ver.

全部MIX ver.

 

と微妙にカツの味を変えながら、お味噌汁とご飯をいただく。

 

衣の厚さが均一でバツグンだし、火が通りきったその瞬間食べてるような感じでお肉柔らかいし、キャベツかわいいし、ポテサラたまねぎ入ってなくて私のためのポテサラだし、豚の脂甘いし、あれ、なんか、これ本当に美味しいわ、なんだろ、おいしい、あ、完全食だな、これ、完全だ、完全食。

って、口にするたびにおいしさを実感して、食べてたらたのしくなってきた。

 

ペロッと完食!満足!おいしかったー!!しあわせー!!

 

サクッと仕事頑張る元気をいただきました。ありがとうございました。

ごちそうだった。ごちそうさまでした。

 

 

4月末までやってるってレジのお姉さんに聞いた、カキバターがまたあれ本当においしそうで、4月末までにもっかい行ってカキバター食べる。決まった。

 

あぁあと、あのソースが入ってた容器。あれ優れものと思う。なかなかいいソース用の容器って世の中にないんじゃないかと思ってて、あのどろっとしたのが固まらずに、かといって少な過ぎず口から出てきて、しかも液垂れしない注ぎ口。

だらーってなったら拭かない限り持ち手まで汚れたままになっちゃうからね。

こういうとこも揚げ物が有名なお店らしいかもしれない。

 

平日の17時15分頃お店着いたら、並ばず入れたので、連日並んではいそうだけれど、うまく時間をズラせばいいのかな。

 

あとお店がある、しんみち通り、この通り、すごく飲食店に活気がありそうな通り!隣の中華バルもわかりやすく気になったし、四ツ谷で飲む機会はほとんどないけど、でも興味が湧いた。

 

あーカキバターいつ行こっかな〜〜

 

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赤道の下のマクベス@新国立劇場 小劇場

40代以降の観劇に向けて、もうこの見方のままではいられない。

 

感覚だけで芝居を観ていて許された?のが10〜20代だとしたら、30代、今の私はそれまでまったく足りていなかった知識を身に付けた上で、これから先、芝居と出逢いたい。出逢わなくてはいけない。

そうでなければ、どんなに良い芝居と出逢っても自分のせいでその出逢いを貧弱なものにしてしまうと『赤道の下のマクベス』を観て改めて思った。

 

BC級戦犯に問われた、死刑囚たちの監獄の中での話。場所はシンガポールチャンギ刑務所。1947年、夏。

朝鮮人と日本人が収容される独房が6部屋あり、その全てが中庭に面していて、みんな中庭への出入りは自由に許されている様子。

演劇に憧れ、ボロボロになるまで『マクベス』の戯曲を読み込んでいるナムソン(池内博之)。と、いうと真っ直ぐな演劇青年という感じだけれど、平田満さん(役名忘れた)と囲碁を打っていて、負けそうになるとひっくり返すし、6人の中だと一番年下らしいムンピョン(尾上寛之)がメソメソしていると怒声を浴びせながらからかいにいくし、下ネタ日常茶飯事だし、楽観的でカラカラと能天気な雰囲気を漂わせた、お腹の筋肉が6つに割れた男、だった。

 

彼は『マクベス』を読んでいる。

なぜマクベスはダンカンを殺したのか。

殺さなくとも王にはきっとなれたのに。

マクベスは破滅への道を自ら選んだんだ。

じゃあ自分は?

理不尽としか言いようのない罪で、朝鮮人であるのに日本人として死刑を待つだけの身だ。

理不尽?

違う?違う選択はできなかったのか?

あのとき、あの場所で。

出来たはずだ。

マクベスがダンカンを殺し破滅の道を自ら選んだように、自分も自分であの時、破滅への道を選んだんだ…!!!!

 

いつもいつもうざったいぐらいに軽く振る舞っていたナムソンが、憧れ続けた『マクベス』をキッカケとして思いを吐露する。

 

違う!!!!

あれ以外の選択肢なんかあの時なかった…

 

とナムソンの同胞が叫ぶ。

 

 

劇としてそれぞれが、それぞれ、今この監獄にいる理由が語られる場面があるのだけれど、その情景が目に浮かぶ。

この監獄の様子も「事実」と頭の中でリンクしながら芝居を観続けることになる。

たった70年ばかり前の話でしかない。たった70年前だ。いま私が会って話して一緒にご飯を食べることができる祖母も70年前には生まれている。そう遠い昔の話ではない。

 

一体誰が悪いのだろうか。

この人たちが死刑になる理由、その大元の命令を下した人物を辿っても、その像はとても巨大で、黒く蠢いていて、それでいてぼやけており、もう到底「人」ではないような気がしてくる。

「人」の中の悪の塊のような。

もし劇中でも挙がっていたような特定の「誰か」をあなたのせいだと罰したとしても、またむくむくとわき上がってくるのだろう、黒い何か。

 

みんなが、

知らないまま。

考えないこと。

関係がないと思うままでいることが、この黒い悪意の正体なのだと思う。

 

だとすると、私、自身にも、責任がある。

泣いてるだけじゃいけない。 

 

頭の良い人たちは、どこでこういうことを知って、学んで、どこで気が付くんだろうか。

学校での勉強は、試験に向けて覚えるだけで、それをきちんと現実と結びつけるような学び方を自分はしてこなかった。

演劇に出会ってそのことに気付かされたけれど、観るのばっかり楽しくて10代から20代の10年間も結局学びに結びつけず過ごしてしまったので、30代になって感じるこの欠落感。

 

蜷川幸雄に怒られる。

 

と頭の片隅でずっと思ってたりしていて、実は。

蜷川幸雄に恥じない観客になる、という途方も無い目標だけは掲げて、ちょっとでも疾走する観客でいたいと、その為の30代の10年間を。

 

でないと、10代の終わりから2016年までに私が蜷川幸雄から受け取ったたくさんの作品たちを、私が自分の中に残すことができず、私が枯らしてしまう。せっかく何本も何本も観せてもらったのに。もう観られないのに。過剰なまでに自分の中に残しておくために…!

 

『赤道の下のマクベス』を観てこれ書き始めたわけだけれど、こういうヒリヒリした感情が湧き上がる芝居だった。

 

 

 

平田さんが、死刑実行の日のナムソンを父親の代わりとして抱き締めるシーンがあるのだけれど、もはやこのシーンの平田満は神様に近かった。

ナムソンの父親でもあり、平田さんの役自身でもあり、でももっとそういう存在を超えて、池内さん演じるナムソンの全てを抱き締めて、包み込んでいた。

 

男臭い芝居なんです。

男しか出てこないし、監獄の話だし、赤道の下で暑いし。

 

でもこの男臭さも芝居の魅力。

カーテンコールが、一回一回の公演を生き切った、その絆と、達成感や責任感なら満ちていて清々しかった。役者さんみんな格好良かった。

 

3月25日まで、新国立劇場小劇場で。

その後、兵庫、豊橋、北九州でも上演。

是非。

演劇は本当に強いです。

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